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ラストプレイ
なぜアイルランドは、最後に逆転トライを狙わず、ボールを蹴りだしたのか

もはや僥倖ではない。

ご存知のように9月28日の 日本 vs アルゼンチン で日本が勝利しました。

2015年に 南アフリカに勝ち、史上最大の番狂わせと言われました。そして今度は日本はアイルランドに勝ちました。「またもや僥倖」という人がいます。私は「これはもはや番狂わせや僥倖ではない」実力だと言い返します。

滅多にないから、たまたまだったら、僥倖というんです。偶然に得た幸運ではありません。勝つべくして勝ったのだと、日本代表の選手それぞれが自身のラグビーを確立してそれを実行できるチームになったのだと思います。

試合前9月22日の世界ランキングではアイルランドは1位から2位に落ち、日本は10位から9位に上がりました。9月28日の試合結果を受け日本は世界ランキング8位に上がり、アイルランドは4位に後退しました。
優勝候補の1つに挙げられているアイルランドに勝つことができました。とはいえまだ2試合が済んだばかりです。W杯を甘くみたらいけません。もはや日本はマークされている側のチームとなっているはずです。

2015年の南ア戦からスコットランド戦までは中3日間だけでした。今回は先日の開幕ロシア戦から28日アイルランド戦に1週間がありました。そして次の10月5日サモア戦へも1週間があります。サモアも日本を研究して闘うでしょう。

シロウトのたわごとを申しましたが、
番狂わせでも奇跡でも僥倖でも無い、きちんと準備して闘った勝利をありがとう、とサモア戦でもいえますように。

なぜアイルランドは、最後に逆転トライを狙わず、ボールを蹴りだしたのか!?

先日のアイルランド戦が終わり、みなさん喧しくおっしゃっていることの一つにアイルランドのラストプレイについてがあります。曰く「なぜアイルランドは、最後に逆転トライを狙わず、ボールを蹴りだしたのか」

それの答えはすでに決着がついているようです。それは負けを確定させてボーナスポイントを取りにいった、というものです。

ボーナスポイントについては先日もこちらの⇨ページで触れたばかりですが、もう一度おさらいしておきましょう。

ラグビーW杯の勝ち点

ラグビーW杯の勝ち点(予選プール)

◉勝ち点
勝てば4点
引き分け2点
負ければ0点

◉ボーナスポイント
1試合で4トライ以上で1点のボーナス
負けた場合、7点差以内なら1点のボーナス

アイルランド戦の話に戻ります。後半40分ラストワンプレイが過ぎた時点でアイルランドの選択肢としてベストなのはトライとゴールで7点を取って引き分けがせいぜいという展開になっていました。日本と引き分けが成立すればお互いに2点の勝ち点が得られます。

この時日本はボールを落としアイルランドが拾います。ここでトライを仕掛けてくるのかとおもいきや、ご承知のようにボールをタッチへ蹴り出し試合終了です。

アイルランドにとっては、すでにトライは大きな賭けになってしまうラストプレイでした。プレイを継続させてもし日本に得点を許してしまえば、7点以上の差となってしまい勝ち点は0点です。

それでアイルランドの選択はタッチへ蹴り出して負けを確定させてしまうことでした。そうすれば7点差で負けた時のボーナスポイントが1点得られるという寸法です。

以上が「ボールを蹴り出した理由」というものです。

この理由を聞かされますと納得はできるものの、とっさにそのような選択ができるものかとギモンにも思いました。しかし間違いないようです。試合経過そ見つつこのような展開も織り込み済みなのでしょう。

アイルランドのシュミット(ヘッドコーチ)は、ボーナスポイントを重要視したのだという旨の発言をしているそうです。

アイルランドはその時点で勝ち点6を持っていました。プールA(9月23日時点)での各チームの勝ち点は次のようになっていました。

日本:9、アイルランド:6、サモア:5、スコットランド:0、ロシア:0

↑でサモア:5というのはこの時点ではサモアはまだ1試合しか済んでいません。短期的なことではありますが、アイルランドはサモアより上位をキープするためにボーナスポイント1を獲得することを選んだということらしいのです。

3勝はしたものの得点差で予選リーグから決勝トーナメントに進むことができなかったことは、日本が2015年W杯で味わった経験でもあります。

外国の新聞はどのように伝えている?【日本 vs アイルランド】

このことについて外国の新聞はどのように伝えているのでしょうか。

今ネットで『rugby upset victory』と検索しますと、日本 アイルランド戦に触れている英語のサイトにたくさんヒットします。(9月29日)

upset victory」は通常の意味では「結果がひっくり返った勝利」つまり 「逆転勝利」ということでしょう。今回のラグビーに関しては日本の報道で「番狂わせの勝利」とか 「大金星」とか書かれている文言に匹敵するのでしょう。私は勝つべくして買ったのだと言っているのですが、それはさておき。

Support The Guardian

Support The Guardian

「upset victory」で検索でヒットしたその中の一つ、例えば「 The Guardian」(ガーディアンThe Guardian)は、イギリスでは有名な大手新聞です)のサイトには

Japan stun Ireland to pull off another famous Rugby World Cup upset
と題した記事があります。
(https://www.theguardian.com/sport/2019/sep/28/japan-ireland-rugby-world-cup-match-report)

記事の内容すべてを判読してここに日本語訳を載せるのは、私の英語能力では1ヶ月かかっても正しくはできそうにもありませんからやめておきますが、

その記事の末尾は次のごとく結ばれています。

Ireland had a final chance with 12 seconds to go when Isileli Nakajima knocked on just short of the line. Joey Carbery opted to kick the ball dead and take the bonus point.

(アイルランドは、中島 イシレリがラインのすぐ近くでボールを前に落としたときに12秒の最後のチャンスがあった。 (が、)ジョーイ・カーベリーは、ボールを蹴り出してボーナスポイントを得ることを選んだ。)

てな意味でしょう。違っていたら直してください。

アイルランドは迷うことなくボーナスポイントをとりにいくことを選んだようですね。私はここにラグビープロ集団の意気を感じます。

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