"ラグビーを知らない嫁に教える"シリーズ【3】

きょうは ポジションの話だよ。
スターティングメンバーはフォワード(FW)が8人、バックス(BK)が7人の合計15人でチームが構成されていることはすでに話したね。
その15人の選手にはそれぞれポジションと背番号が決められている。図を見てもらったほうが早いね
ポジションの名前と位置

各ポジション
では図を見ながら聞いてね。
ポジションは前後で大きくは2つのグループに分けられ前をフォワード(FW)、うしろをバックス(BK)と呼ぶ。フォワード(FW)の8人はスクラムを組む選手たちだね。
それぞれの背番号は下の通りだ。
フォワード(FW)1番〜8番。【1、2、3、4、5、6、7、8】
バックス(BK)が9番〜15番。【9、10、11、12、13、14、15】
ポジションと背番号は次のようになっている。
- プロップ(PR)【1、3】・・・フロントロー
- フッカー(HO)【2】・・・フロントロー
- ロック(LO)【4、5】・・・セカンドロー
- フランカー(FL)【6、7】・・・バックロー
- ナンバーエイト(No.8)【8】・・・バックロー
- スクラムハーフ(SH)【9】・・・ハーフバックス
- フライハーフ(FH)【10】・・・ハーフバックス
- センター(CTB)【12、13】・・・スリークォターバックス
- ウィング(WTB)【11、14】・・・スリークォターバックス
- フルバック(FB)【15】・・・フルバック
-
フォワード 8人
-
バックス 7人
上のリストにあるように、
フォワード8人のうち最前列の3人をフロントロー【1、2、3】と呼ぶ。
その後ろの2人をセカンドロー【4、5】、後列3人がバックロー【6、7、8】だ。
バックスの7人は次の3つに分けられる。
ハーフバックス【9、10】、スリークォターバックス【11、12、13、14】、フルバック【15】。
各ポジションの名前については、別の呼び方もあるがそれはおいおい説明しながら続けるよ。
各ポジションの役割と特徴
次は各ポジションの役割や特徴だ。
ラグビーには15人の選手に10のポジション名があるのだから、それぞれの役割も異なるはずだ。プレイヤーが自身の役割を担い遂行することで、チームの連携につながり、勝利へ導くことにもなると言うことだね。
各ポジションの特徴
さっきの表ではポジション名の後に番号をつけたが、今度は並べ方を変えて表にして見る。図をみれば位置関係はわかるとおもう。
フォワード FW

Forward
ポジションエリア | ポジション名 | 背番号 |
---|---|---|
フロントロー | PR/プロップ | 1、3 |
HO/フッカー | 2 | |
セカンドロー | LO/ロック | 4、5 |
バックロー | FL/フランカー | 6、7 |
No.8/ナンバーエイト | 8 |
BKバックス
ポジションエリア | ポジション名 | 背番号 |
---|---|---|
ハーフバックス | SH/スクラムハーフ | 9 |
FH/フライハーフ | 10 | |
スリークォーターバックス | WTB/ウィング | 11、14 |
CTB/センター | 12、13 | |
フルバック | FB/フルバック | 15 |
フォワード
フォワードの8人はスクラムを組んだり、ラックなどの密集でボールの争奪戦を激しく繰り広げるなどのラグビーの豪快さを具現化する選手たちだ。よってパワーがあってかつ屈強な肉体が求められる。加えて走力をも求められている、なんとも過酷なポジションだ。
フロントロー
フロントーローはスクラムを組む時に、最前列で相手フォワードを組み合う。1番・3番 のプロップ (PR)と2番のフッカー (HO)、計3人で成る。
プロップ (PR) 1・3番
スクラムの際に最前線で相手側と組みあいその列を支えるからこの名があるとおもう。プロップ(prop)という英語は「支柱、つっかい棒」などの意味がある。
モールでは相手側を押し込んでパワーを発揮し、かつ耐え抜く忍耐力と体力を要求されるポジションでもある。首も太く重量級の選手たちだ。
1番のプロップをルースヘッド プロップ、3番をタイトヘッド プロップと分けて呼ぶこともある。これはスクラムで頭を組み合わせる位置の違い。具体的にはルースヘッド プロップは片方の肩で、タイトヘッド プロップは両肩に相手側の体重がかかる。
フッカー (HO) 2番
スクラムの際は最前列の中央でコントロールし、スクラムハーフ (SH) によって投入されたボールを自陣の後ろに、足でかき出すポジション。足で引っ掛けてボールをかき出すことがフッカーという名の由来のようだ。(hookには引っかけるという意味がある。)
ラインアウトhttps://www.rugby-worldcup-j.com/2019rugby-worldcup-basic1#i-18の時にはボールを投げ入れる役割を担うことが多い。そのためプロップ同様屈強であることが要求されるとともに走力や判断力をも必要なポジションだ。
セカンドロー
セカンドローはスクラムを組む際に2列目(second row)に位置する。
4番と5番の ロック (LO)の2人。
ロック (LO) 4番、5番
スクラム時はフロントロー3人のバインドを固める役割。
ラインアウトの時には空中でボールをとりあう役割もある、空中戦のスペシャリスト。
モールの際には体ごと相手側をなぎ倒し前進する。
キックオフの場合はけられたボールのキャッチャーとなることも。
長身で体格の良さを兼ね備えた選手が良いだろうね。
バックロー
スクラムの際の三列目、つまり最後列に位置するのがバックローだ。ナンバーエイトと左右のフランカーがバックローと呼ばれる3人の選手たちだ。
フランカー (FL) 6番、7番
スクラムの時は側面について、相手側に激しいプレッシャーをかける。ボールを奪取したら交戦エリアにいち早く駆けつけ味方をサポートする。
守備においてはタックルマンとしての技術能力と果敢な行動が求められる。ロックの空中戦スペシャリストに対して、フランカーは地上戦の仕事人といえるかな。
スピード、体力、判断力が求められる。
ナンバーエイト(No.8) 8番
スクラム時では3列目最後尾の真ん中でFWをコントロールし、攻撃、防御の要を担うFWのリーダー。
フランカーに近いポジションだが、スクラムでもフィールドでも常にボールを視野に入れ動きまわり、攻撃のきっかけを作るなど状況判断能力も要求される。体力、技術に加え総合的な判断能力をも兼ね備えていなければならない。
バックス (BK)
9番から15番の7人の選手がバックス。そしてさらに3つのグループに分けての呼称がある。
9番と10番がハーフバックス。
11番・12番13番・14番をスリークォーターバックス (three quarter backs)。
15番はフルバック。
あるいは、次のように呼ばれることもある。
スタンドオフ 10番とセンター12番・13番をフロントスリー、
ウイング11番、14番とフルバック15番がバックスリー。
バックスの役割を端的に言えばフォワードが確保したボールを前に進めて、得点に結びつける仕といったところかな。一般的にバックスにはフォワードほどの体格ではないが、俊足でパスやキックの正確な技術、瞬発力、などのスキルが求められる。それに相手側の攻撃を最終ラインで防ぐためには、正確なタックルの技術も要求されるだろうね。
ハーフバックス
ハーフバックスはスクラムハーフ (SH) 9番 と フライハーフ (FH) 10番の2つのポジションからなる。相手側のデョフェンスの隙を見出し、トライへと結ぶ。パスやキックを自在に駆使し、いわばオフェンスの舵取りとも言えるのがハーフバックスだ。
フライハーフはスタンドオフ (SO) とう名で呼ぶこともある。日本ではスタンドオフ (SO) のほうが一般的な呼称かもしれない。
スクラムハーフ (SH) 9番
フォワードとバックスをつなぎ役といったポジションだ。
スクラムではボールの投入役となることが多いね。スクラム、モール、ラックには直接加わらないが、それらからかき出されたボールを自陣につなぐのも重要な仕事だ。
ラグビーの中では比較的小柄な選手が多いようだが、敏捷性と正確なパスのスキル、それに瞬発的な判断力が求められる。
フライハーフ (FH) /スタンドオフ (SO) 10番
先ほども言ったが、 スタンドオフ (SO) と呼ばれることが多い(日本、アメリカなど)。フライハーフという呼び方が一般的だと思う。
ややこしくなるが「ファイブ エイス」、「ファースト ファイブ エイス」と呼ぶ国もある。
分子は数字(one,two,three,four,five・・・)で、
分母は序数(first,second,third,fourth,fifth・・・)だね。
「ファイブ エイス」はfive/eighth、5/8、8分の5ということだ。
ポジションを8列に分割する場合があったのだね。かつては7列目にSE〈セブンエイス〉というポジションが存在したらしいよ。
Five-eighth:https://en.wikipedia.org/wiki/Five-eighth
呼び方はともかく、
フライハーフ (FH)はよく「司令塔」と言われる。スクラムハーフからボールを受け取ったら状況をよく判断して的確なプレイを行う。例えばスクラムやモール、ラックなど密集からボールが出たら最初にそのボールを受け、すぐさま状況判断して試合の流れを汲み取りプレイにつなげていく。
自陣の選手に的確な指示を出し、ラグビーにおいての戦略を具現化するための理解度が深いリーダーシップが必要だ。
相手側のディフェンスに狙われることも考慮しタックルに当たられても屈せずといった強靭な肉体ももとめられるだろうね。
スリークォーターバックス
さっきの「知ったかぶり」で触れたが、ラグビーのポジションを8列に分割した場合の8分の6列目(6/8)が スリー クォーター バックス だ。6/8は約分すると3/4だね。
「 three-quarters」というわけ。(quarter=1/4)
内側のセンター(CTB)12番 13番と外側のウイング(WTB)11番、14番の4人からなる。ハーフバックスが司令塔的役割となれば、対してスリークォーターバックス は実行部隊と表されることが多い。
センター・スリークォーターバック (CTB) 12・13番
スリークォータ〜バックスの中央に位置する。12番をインサイドCTB、13番をアウトサイドCTBと分けて呼ぶこともある。
攻撃時においては縦に切り込み、あるいは左右へのパスを展開せしめてチャンスを広げる仕事から、切込み隊長と表現されることがよくある。近くでモールやラックが発生すれば参加することもある。
インサイドCTBはフライハーフ (FH)に近い役割も担うことから第二の司令塔と呼ばれることもある。それに比べてみるとアウトサイドCTBは、 ウイング・スリークォーターバック (WTB)に近いかもしれない。
パスやキックの正確さとともに俊敏さや、タックルの強さなどが求められる。
ウイング・スリークォーターバック (WTB)11・14番
自陣がつないだボールを得点につなげるトライゲッターだ。
攻撃時はスピードを武器にライン際を駆けぬけ、トライをとりにいく。
フライハーフ (スタンドオフ)からのキックパスをキャッチしたり、
守備においてはフルバック同様に相手側のキック処理に対し、自らロングキックする場面もある。
なにより快足、瞬発力、キックの技術が求められるポジションだね。
フルバック (FB) 15番
「最後の砦」と言われるように、最後尾で自陣バックスを統率し指示を出す重要な役目を担う。守備ばかりではなく攻撃にも参加することが多くある。
カウンターアタックのためのスピード、タックルの強さ、正確なキックの技術 などなど高い身体的能力が要求される。
とまぁ、各ポジションについてひととおり話した。どのポジションの説明でも体力、瞬発力、技術、状況判断などおなじような表現をいろいろいったが、一流のラグビーの選手にはどのポジションかにかかわらず、これらのことが共通して要求されるということなんだね。