プールAで日本が勝ち残り8強の仲間入りなる道すじ予測のようなお話を、昨日しました。
その中で、試合日程の面で他の国に比べて日本は有利だと申しました。開催国のスケジュールが有利に運ぶことは、当然のこととしてあまり考えもしませんでした。そういうものだと思っていました。
ところが、スコットランドがこれに不満を漏らしているということを、新聞記事で知りました。(2019年10月2日 7時7分 朝日新聞デジタル)
9月30日スコットランドvsサモア戦の後の会見で「A組は全チームが短い休みで日本と当たる」と指摘したそうです。
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試合日程は不公平?
「A組は全チームが短い休みで日本と当たる」
この指摘そのものはその通りです。プールAで日本と対戦する各チームの試合間隔を日程表から拾ってみますと次のようになっています。
初戦同士
日本 vs アイルランド 9/28(土)
日本 中7日の休み
アイルランド 中5日の休み
日本 vs サモア 10/5(土)
日本 中6日の休み
サモア 中4日の休み
日本 vs スコットランド 10/13(日)
日本 中7日の休み
スコットランド 中3日の休み
試合間の休み期間を見ますと、確かにホスト国日本の日程は優遇されていますね。ことに予選リーグ最終日の日本は中7日の休みを取っているのに、スコットランドは中3日で戦うわけですから。
試合間隔が短かければ選手の疲れも取れないでしょう。作戦を周知させるのにも日にちの余裕があったほうが有利でしょう。
例えばプールAのロシアvsサモア(9月24日(火))は9-34でロシアの完敗でしたが、中3日で挑んだロシアの選手には疲れが見えていたと指摘する声もあります。サモアは初戦でした
また9月25日のプールD・ウルグアイvsフィジー。ウルグアイは初戦でフィジーは中3日でした。世界ランキングで9つの差(現在は6差)もあったウルグアイに負けたのは選手の調整期間があまりにも短すぎたという声も聞きます。
試合間隔が短い以外にも問題があります。
試合会場の移動だって問題だ?
ここまでは試合の日程調整についての問題でしたが、選手の移動についても日本は有利になっているとの指摘も。
日本の1次リーグ戦の開催地は初戦が東京調布の東京スタジアムから始まり愛知県豊田市豊田スタジアムのスコットランド戦で終了します。
東京⇨静岡県袋井市⇨愛知県豊田市⇨神奈川県横浜市
関東東海に集中していて遠くても愛知県です。
スコットランドも開催会場への移動に関しては比較的無理がなさそうに見えます。
横浜⇨神戸⇨静岡⇨横浜
一方例えばオーストラリア(プールD)の場合をみてみますと、
札幌⇨東京⇨大分⇨静岡
北海道から九州まで、さながら日本縦断の如しです。
さほど広大な面積の国ではございませんが、このような移動は選手のコンディション維持のために、また相応のストレス解消が必要になってくるでしょう。やはりこの点でも日本は優遇されていますなぁ。
たしかに日本は有利かもしれない、でも…
言われてみれば確かに指摘の通り、試合の間隔や試合会場への移動を含め日本は優遇されている結果になっていることは否定できません。
でもこれは今に始まったことではありません。2015年の前W杯の開催国はイングランドでしたが、この時の一次リーグ試合日程を調べて見ますと次のようになっていました。(日にちは現地時間です。)
9月18日、9月26日、10月3日、10月10日
中7日、中6日、中6日
◉日本の試合
9月19日、9月23日、10月3日、10月11日
中3日、中9日、中7日
日本の試合9月19日は日本の勝利が「番狂わせ」と言われたくだんの南アフリカ戦です。それから中3日・9月23日はスコットランド戦で大敗(45-10)しました。そのあと10月3日サモア戦、10月11日米国戦いずれも大きく勝っています。日本がスコットランドに負けたのは中3日で選手の疲労が取れていなかったからだと、そのような意見が当時からあります。それはその通りであり、すくなくとも要因の一つであることは否めないかもしれません。
この時の対戦相手スコットランドは初戦でした。今回2019年はスコットランドが中3日で不満ありということになりました。う〜ん、まさか前回の報復でこのような日程を日本主催者はきめたわけではありますまい。
もう一つ遡って2011年のラグビーW杯を見て見ましょう。この時の開催国はニュージーランドでした。日本の4試合は下の日にちで行われました。全敗でしたが。
9月10日、9月16日、9月21日、9月27日
(フランス⇒NZ⇒トンガ⇒カナダ)
中5日、中4日、中5日
中3日ほど短くはありませんが、初戦から12日間で3試合を戦わねばなりませんでした。12日間で世界の強豪と3試合はつらかったでしょう。
ラグビーW杯試合日程は誰が決める
試合日程を決めるのは、ラグビーユニオンの国際競技連盟の『ワールドラグビー(World Rugby)』と大会組織委員会の協議によるものだそうです。試合会場や観客数あるいは放映権など総合的に鑑みて決まるようですが、上に例をあげましたように開催国に有利に運ぶのはいわば通例のようなものでしょう。
ですから、スコットランドの監督が不平を言ったというよりも、
ホスト国はいいねぇ休みたっぷりで、と愚痴みたいなものだと私は受け止めています。あるいは牽制かな。
さてさて私は気にしておりませんでしたが、おっしゃる通り主催国の優遇はございました。否定するものではございません。そこで、、
ラグビーは紳士のスポーツだといわれています。ここはひとつホスト国に花を持たせてあげましょうと、慎しみ深い紳士の皆さんのご配慮ということで。。。
よろしいじゃございませんか?
ちかごろ話題の応援歌ビクトリーロード
"カントリーロード"の替え歌なんだけど…
ビクトリーロード。思いは一つ。#ラグビーワールドカップ2019#ラグビー日本代表#勝利を信じて @MikamMasataka pic.twitter.com/DdP0ipqPEE
— 山本 幸輝/Koki Yamamoto (@koking3333) October 4, 2019
カントリーロード